町を歩くと、住宅や学校、公園の周囲など、至るところでブロック塀を見かけます。
しかし、築年数が古いブロック塀の中には、見た目には分からない危険をはらんでいるものも少なくありません。ひび割れや傾きがある塀は、地震や強風の際に倒壊し、市民の命を奪う凶器になり得ます。 この記事では、ブロック塀の危険サインや、法律で定められたブロック塀の基準について解説します。
危険なブロック塀は今も数多く残っている
老朽化したブロック塀は、地震や強風による倒壊の危険が高い構造物です。
全国には、昭和期に建てられた古いブロック塀がいまだ多数残っており、耐震基準を満たしていないものも少なくありません。鉄筋が入っていない、基礎が弱い、モルタルの劣化などが原因で、見た目がしっかりしていても内部はもろくなっている場合があります。
2018年の大阪府北部地震では、通学路沿いのブロック塀の倒壊事故により児童が犠牲となりました。この事故を機に、全国でブロック塀の点検や撤去が進められていますが、依然として老朽化した塀は多く残っています。特に住宅地や学校周辺など、日常的に人が通る場所には危険が潜んでいます。
ブロック塀の点検や耐震補強・撤去工事など、地域全体で安全を見直し、安心できる町づくりを進めることが求められています。


ブロック塀は高さ制限が法律で決まっている
意外と知られていませんが、ブロック塀には高さの上限や構造基準が法律で定められています。
発端は1978年に起きた宮城県沖地震。多くのブロック塀が倒壊し、人的被害が発生しました。これをきっかけに建築基準法施行令第62条の8が改正され、ブロック塀に関する詳細な基準が設けられました。
【建築基準法によるブロック塀に関する基準(一部抜粋)】
・高さが2.2m以下(一般的なサイズのブロックを11段積んだ状態)
※日本建築学会の設計規準では、安全性を考慮して1.2mの高さ制限を設けています。
・控え壁の設置(塀の高さの1/5以上突出した壁を3.4m間隔に設置)
※1.2m以下の高さの塀の場合、控え壁は不要です。
・水抜き穴の設置(内部に水が溜まらないよう、塀の下部に水抜き穴が必要)

また、鉄筋の大きさや配置する箇所なども厳格に定められています。
これらは市民の安全を守るための最低限のルールです。しかし、全国の住宅地や通学路の至るところには、通常の耐久年数である20~30年を超えた、倒壊寸前の危険なブロック塀が残っています。もしも地震や豪雨によってこれらの塀が倒壊すれば、通行人や児童が巻き込まれる危険性があります。

ブロック塀が劣化していないか定期的に確認を

ブロック塀の設置から年数が経っているものは、一度点検することをお勧めします。その際にチェックすべきポイントは下記の4つです。
❶塀は高すぎないか…塀の高さは地盤から1.2m以下。
※日本建築学会の設計規準では、子どもなどへの安全性を考慮して高さは1.2mまで、としています。
❷控え壁はあるか(塀の高さが1.2m以上の場合)…「控え壁」とはブロック塀の転倒を防ぐために設置する補助的な壁。建築基準法や技術基準で定められており、ブロック塀の反対側に備えます。塀の高さの1/5以上突出した控え壁を、塀の長さ3.4m以下ごとに設置しなければなりません。
❸基礎があるか…コンクリートの基礎があるか。通常の点検では分かりにくいので、専門業者に依頼しましょう。
❹塀に傾きや、ひび割れ、ぐらつきはないか。
また、白い粉(エフロレッセンス)があるか、ブロック塀の一部が濡れているか、という点もチェック項目です。 前者はブロック塀の内部に水が侵入しているサインで、鉄筋が錆びて膨張し、内部からひび割れを起こす恐れがあります。後者は排水が不十分な状態です。内部構造が劣化しており、地震時に倒壊するリスクが高まります。
これらの兆候がひとつでも見られる場合、専門業者に相談して早急な診断と改修が必要です。ご自宅のブロック塀が老朽化していないか、今一度チェックしてみましょう。 また、お住まいの自治体に問い合わせるのもいいでしょう。自治体の中には「ブロック塀安全点検マップ」や「危険箇所通報システム」を導入しているところもあります。

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