『防音塀の開発に至るまで・・・』

当社は以前から、スーパーフェンスの開発を行ってきました。

従来のブロック塀では経年劣化による倒壊リスクがつねに付き纏っていました。特に、大きい地震などによる被害では、報道されていないだけでブロック塀の倒壊による被害者は相当数いると言われています。そんなブロック塀が敷地内にあるとすると、万が一の震災時には加害者になってしまう可能性があります。

そんなブロック塀の倒壊リスクを軽減するために開発されたのが、スーパーフェンスです。

そんなとき、我々は都市型幼稚園などの騒音問題を知りました。近年、少子高齢化による在宅率や、コロナ渦による在宅ワークが増えています。そのため、園児たちの声がうるさい騒音として捉えられてしまっている現状があります。

そこで、「スーパーフェンスを、都市型幼稚園などの騒音問題に活用できるように、防音塀に変えられないか?」と、開発が始まりました。

そして、様々な大学の教授や専門家の方々に協力してもらい、「防音塀」の開発を行いました。

近畿大学の西村教授に、音を軽減する実験について助言していただきました。西村教授の知識・知見をお借りし、試験場にて最適な断面を求め出します。その断面を選択し、最適な断面で騒音の透過損失を測り、ある程度の保育園での騒音が減衰された仮説を立てます。そして、各実験を活かし、防音塀を設置し、実際の騒音の減衰を工事着手前と工事完工後の比較騒音テストで比べます。

ここで騒音音源として利用したサンプルは、実際に園で収録した園児の泣き叫ぶ声を使用しました。この音源を施工前後の騒音試験にも利用し、騒音問題解決に向き合ってきました。

こうして、「防音塀」の開発にあたり、実証実験を行い、性能と品質を高めていきました!!

※園児たちの声は500~2000Hz帯が多いと言われています。

しかし、防音効果を高めるため、ある程度の高さが必要になりますが、高い塀を設置するということで、外部からは閉塞感が、内部では暗く閉鎖的な空間になってしまわないかという懸念事項が・・・

そこで、外部からの閉塞感に関しては、木材本来の天然の色合いや質感、また自然の木の持つあたたかさでそれらの印象を無くし、ポリカーボネートという光も通し強度もあるという素材を採用することで閉鎖感も少なくすることが出来ました。

明かり取りに採用したポリカーボネート板は、内部に空間を持つ構造で防音性も確認でき、一石二鳥の効果を得る事ができました。

その為、塀の高さが3mになっても開放的で十分な効果を発揮します。

このように、我々は試行錯誤しながら、どうにか幼稚園などの問題を解決できないかと挑戦を繰り返してきました。そして「防音塀」の設置後は騒音減衰の結果を得ることが出来ました!!

また、東洋大学の松永教授の知見をお借りし、防音塀のデザインが、街の景観に合っているかなど、デザインが街と調和することを確かめました。

実際に「防音塀」が街の景観に合っているかというアンケートを取った結果、

このように、騒音問題も、「防音塀」が街の景観に合っているという意見を頂くことができました!!

また、関西大学の亀井教授に、リスクマネジメントとして、幼稚園の防音塀による防犯性を確かめていただくこともできました。

最後に、適切な指示・ご教示くださった林野庁・大学先生・皆様方、そして、この場所を提供いただいたあけぼの会の皆様方・お集まりの皆様方に感謝いたします。当木材防音塀の更なるブラッシュアップを目指し、邁進していきます。