この保育園は、豊中市の住宅地にあり、閑静な街中に存在します。車も少ない為、こどもの声のない通常の街並み音が50dB以下という状況です。

約7年前にこのおひさま岡町保育園分園が建設されることになりました。当時、設計事務所・保育園側が、近隣住民様に不信感を与えたことが、今回の元々の騒音問題の根底になっていました。計画時から、保育園による騒音の被害を想定していた近隣住民様は、園側に対し、建設差し止めでなく、しっかりとした防音設備を考えてほしいという事であったが、当時の設計事務所は、防音テント、植林で大丈夫と言った決断を下し、工事が進み、建設されたようでした。(住民談)

ここで、一言お伝えしたいことがあります。今回の騒音問題について保育園側は、加害者であったと同時に、被害者でもございました。プロの1級建築設計事務所通りにした結果だからです。他、数々の対応をされていましたが、効果はなく、今回、高いお金を使い、この塀を建設したことに是非ご理解いただきたいと思います。

住近隣民様は、園児による声・発生する音にはかなりのストレスを有していました。夏期のプールで園児が遊ぶ声、春秋期の気持ち良い風の換気時の園児の遊ぶ・泣く声等が、風に乗り、皆様近隣住民ご自宅に届いてしまいました。そこで、当社の「防音塀」を用いることで、この騒音問題を解決に導く運びになりました。

施工前で65dBを記録していました。決して、高くない数字でしたが、確かに、こどもの声はうるさく感じました。近隣住民様宅では、子どもたちの声が騒音にとって代わり、更に気分的に割増しで聞こえる感じであったようです。上空を飛ぶ飛行機の音と比べ同程度の騒音音圧でしたが、確かに、園児の声の方が、耳に残る音でした。主観的な感覚がどうしても入るという問題もあります。

そこで、我々は以下のように取り組みました。

私共の本工事で実施した事
①エビデンスをしっかりと取得し、それに基づく設計を行った。近畿大学西村教授の知見・岡山工業試験場眞田技師との試験結果の解析・分析を基にした、防音塀の設計。
②東洋大学松永教授・他1級建築設計士等による防音塀デザインの作成によって、街並み景観に沿えるようにした。
③近隣住民様・保育園関係者に工事前、現場説明を行いました。
④工事期間は、安心安全・無事故で工期を終えることを主とした。
⑤引き渡し検査時には、近隣住民様・施主様交えて、騒音の変化を体験していただき、理解していただこうと思っています。
⑥近隣住民様のご厚意として、塀に避難口を設け、隣家の庭に一時避難するという通路を許可いただきました。

その結果、高さ6mの塀にも関わらず、まったく威圧感がないという施主様・住民からの高い評価を得ることができ、防音効果を得ることができました。

施工前

施工後

最後に、この機会を与えていただいたおひさま岡町保育園様、ご協力をいただいた住民の方々、いろいろと騒音テストにご協力いただいた方々、工事中にご迷惑をお掛けした皆様方に改めて御礼申し上げます。

【社会福祉法人あおば福祉会・常任理事 福井茂様】

「木のぬくもり、風と光とこどもたちを近隣が見守る保育園に!」

この度は、防音塀の工事を行っていただき、大変感謝しております。地域の皆様より、「音の問題が大きく改善された」「デザインも地域に溶け込んでいる」と喜んでいただけたこと嬉しく思います。何よりも、子どもたちが園庭でどろんこあそびや水あそび、プールあそびなどを楽しめるようになり、子どもたちの育ちを保障できる保育ができることが大きな喜びです。

おひさま岡町保育園分園は、住宅街に建つ保育園で、開園当初から園児や職員の声に対し、近隣からご意見や苦情があり、設計事務所や建設会社に相談しておりましたが、解決には至りませんでした。そこで市に相談し、近隣対策の防音塀の工事建設中の「あけぼの風の森保育園」をご紹介いただきました。早速、当園も現場調査を実施していただき、騒音の減衰は可能と診断いただき、防音塀の改修工事を行いました。

開園以来、子どもたちには、様々な制約がありました。しかし、今回防音塀の設計も、子どもたちにとって、木のぬくもりがあり、園庭には光が入り、心地よい風も通るよう工夫をいただきました。工事後は、近隣との関係も良くなり、工事を通して新たな関係づくりにもつながりました。港製器工業株式会社様と株式会社スマートガーデン様には感謝を致しております。誠にありがとうございました。

社会福祉法人あおば福祉会 常任理事 福井 茂

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