豊中市で初めての民間保育園として誕生した「あけぼの風の森保育園」は、0歳児~2歳児約60名と、職員達約40名の乳児施設です。約6年前、乳児施設から就学前施設になることを目標に、老朽化した園舎をリニューアルするため、改修及び増築工事を計画しました。

設置写真

そして、防音塀を設置した後、近隣の方々からアンケート取らせていただきました。アンケート総数75名のうち、73名(97%)の方々から街並み、景観に合っているという評価を頂くことが出来ました。

そして、防音塀の設置自体については95%の承認を得られ、また問題であった騒音についても67%の方々から防音の効果を認めていただくことが出来ました。

『防音塀を採用した、園の運営者の方々の声』
今回たくさんの方々の熱意とご尽力のおかげで「防音塀」が誕生しました。
当初は園関係者や保護者の方々から「壁で音が響かなくなるの?」「暗くならない?」等々、壁が出来ることで威圧感や閉塞感を感じるのではと心配する声も上がっていました。

しかし出来上がりを確認されると「いい壁ですね」「木の壁だから温かみが感じますね」と安心していただくことが出来ました。防音塀から漂うヒノキのほのかな香りと温もりで、園庭に安堵感とやすらぎを与えてくれていると感じております。そして防音塀の誕生をきっかけに、保育事業者と近隣の方々との共存の架け橋のひとつとなればと願っております。

「防音塀」の設置は、騒音を20dB程度下げることを目標とし、木材ベースとした塀にすることで街の景観を損なわずに木の吸音力で騒音を軽減しました。それだけでなく、園児たちに良い影響を与えました。園児たちは、木を触ったり、におったり、興味津々でヒノキの香りを感じていました。

園長先生からは、園児たちが物を大切にするようになったと、保護者からは、我が子が地球環境の本を手に取るようになったところをみてびっくりしたというお言葉を頂きました。

保育園先生らに園児たちに木育をしてもらう。
林野庁様から頂いた絵本や、木材の重要性を説いた本を提供し、園児たちが木に接することにより、彼らの成長や変化を期待できそうです。

最後に、適切な指示・ご教示くださった林野庁・大学先生・皆様方、そして、この場所を提供いただいたあけぼの会の皆様方・お集まりの皆様方に感謝いたします。当木材防音塀の更なるブラッシュアップを目指し、邁進していきます。

【学校法人あけぼの学園・社会福祉法人あけぼの事業福祉会 理事長 安家周一様】

 特に都市部においては、乳幼児の施設における子どもの泣き声や奇声など子どもの騒音について、近隣の住民の方々からお叱りを受けることが多くなり、悩ましく思っておりました。国の待機児童解消の掛け声をもとにして、各地に小規模な保育所が増設されましたが、それぞれの施設も保育活動の遂行にはとても神経を使います。

 もとより、子どもたちの泣き声や嬉しさ余って大きな声を発することは人間にとって大切な言語表出や感情表出と同じ意味を持ち、生命を維持し育つためには欠くことのできない自然な行為です。この声が騒音と同じに扱われることには違和感がありますが、音の拡散を防ぐことができるのであれば、とてもありがたいと思っていましたところ、この度、株式会社スマートガーデン様と港製器工業株式会社様のご協力によって園庭の周りに木製の防音壁が完成し、測定の結果、子ども達の声の音量の減衰が確認されました。

 他の乳幼児施設にも設置され、伸びやかな保育活動が行えることを願っております。

学校法人あけぼの学園・社会福祉法人あけぼの事業福祉会

理事長 安 家 周 一

>>事例2 おひさま岡町保育園